はじめまして。
私は高卒・カネなし・コネなし・経験なしで行政書士として開業したおしかせといいます。
今回は、行政書士になった今改めて考える行政書士という資格について。
個人的には行政書士という資格も職業もまだまだメジャーではないイメージがあります。
将来の不安を解消したくて色々検索していて初めてこの資格を知ったとか、
他の資格勉強をしていたら派生的に知ることになったとか、
そんな感じの方も多いのではないでしょうか。
ここ数年資格ブームが続いているのもあって注目をあつめているようにも見えるので、
もし、最近行政書士という資格を知った友人に「行政書士ってどうなの?」と聞かれたら、
私ならどう答えるだろうと改めて考えてみました。
行政書士試験にちょっと興味を持ち始めている、くらいの方に向けて書いていきますので
開業準備中の方とかだと物足りないかもしれませんが、
開業後のお仕事についても触れていきますので、
最後までお読みいただけたら嬉しいです。
行政書士試験に挑戦する価値をコスパで考える
試験の難度や業務内容、収入などが努力して試験を突破して仕事にする価値があるのかというのは気になるところ。
生々しい話ですが、貴重な時間を使って資格を取得しようと考えるなら所謂コスパを気にするのは当然のこと。
すでに開業している私の回答なので答えは「イエス」なのですが、
その理由を項目に分けて書いていきますので、
あなた自身の環境や得意と照らし合わせてみてください。
試験の難易度
行政書士試験が難しいかどうかはよく話題にされるところで、
数ヶ月でさくっと合格する人もいれば、
何年も挑戦した後に撤退する人もいます。
ちなみに、私は平均より少し年数かかってますが諦めようと思ったことはありません。
諦められる人は勇気がある人だと尊敬しています。
さて本題。
この試験を簡単と思えるかどうかは下記の要素にかかているのではないかと思います。
法律を勉強したことがあるかどうか
暗記が苦手かどうか
基本的な読解力があるかどうか
3時間集中力を持続できるかどうか
初学者法学部の方なら条文や法律用語には馴染みがあるので比較的やりやすいだろうというのは想像できるかと思います。
対して初学者は慣れるまでが大変。
例えば「自働債権と受働債権」「停止条件と解除条件」など、どっちがどっち?
と混乱しやすい用語があったりします。
(よく間違えるの私だけですかね)
そして日常生活ではあまり聞かない行政法が得点源だったりします。
勉強しているうちに得意になるはずなんですけど(そうでないと合格は難しい)、
これも慣れるまでは大変。
勉強を始めた頃、行政不服審査法?行政事件訴訟法???となってたのは私だけではないはず。
暗記は得意でなくても大丈夫だと思います。
どちらかというと考える力のほうが必要。
でも暗記が苦手とか苦痛な人はちょっとしんどいかも。
私は予備校で
「判例問題は事件の問題点・結論・その理由の3点をセットで覚えること、
行政法の問題は条文暗記で素早く正誤を判断し、他の回答に時間のかかる問題のために時間を節約することが合格の近道だ」と教わりました。
あとは条文知識が必要な問題も出ますので、時効は何年とか「無効」か「取り消すことができる」かなど条文を知っていれば解ける問題を落とさないようにするくらいには暗記力も必要かなと思います。
試験科目に文章理解(長文の読解力問題)があるというのもありますが、
そもそも試験の問題文が何について問われているのかを読み取るところから始まると言っても過言ではありません(たぶん)。
AさんとBさんの関係の時系列の読み間違えも致命的になりかねないし、
記述問題は何について問われているかを間違えると全然違う回答になってしまうことに・・・
個人的には何よりもこの読解力が重要だと思っています。
理由は鍛えるのに時間がかかるから。
最後に集中力について。
ずっとMAXで集中していなくても大丈夫です。
しかし、60問を3時間で解き切る体力の有無は意外とバカにできません。
勉強習慣の継続で鍛えられるものだと思うので、
私のようにしばらく勉強から遠ざかっていた方は試験までに鍛えていきましょう。
集中力が切れてしまったときの対策も考えておくとよいと思います。
よく聞くのはお手洗いに行くこと。
一旦席を立って動けば頭がスッキリして正解を導き出せるようになるかもしれません。
上記の点が現時点で備わっている方は「思ったより簡単じゃん!」となるかもしれません。
全部持ち合わせていない方は努力して身に付ける覚悟があるかどうか、
もしくは予備校の初学者コースを検討してみるなどといいかなと思います。
ちなみに私は読解力は元からあったほうだと思いますが、
初学者だし、集中力ないし、暗記も得意ではないのでかなり苦労しました。
苦労するだろうことはわかっていたので最初から独学は選択肢になく、
予備校の先生の指示通りに勉強して合格しました。
お金はかかりましたが私にとってはいい選択だったと思います。
資格の勉強をしたことがないと予備校を選ぶのも一苦労だと思いますが、
個人的には大手予備校はどこも本試験予想的中に力を入れて、
そのためにカリキュラムもしっかり組んでいるので、
どの予備校を選ぶかよりもどの講師を選ぶかのほうが重要だと思っています。
実際の講義を見学させてくれるところも多いので、
近いからという理由で決めずにしっかり吟味してくださいね。
(でないと私みたいに後悔することに・・・)
ちなみに私は豊村先生にお世話になりました。
わかりやすいのはもちろん受験生の心理もわかってくれているので心強い。
話し方のテンポがいい。
端的で無駄がない。
そんな理由で選びました。
(選んだというと偉そうですが沢山の講師から豊村先生がいいと思ったのでやはり”選んだ”にしました)
講師で選べとおすすめしましたがアガルートアカデミーは合格特典があって、条件を満たせばお祝い金5万円or全額返金という制度もありますので気になった方は公式サイトで確認してみてくださいね。
公式サイトではガイダンス等無料で見ることができる動画もいくつか上がっていますので豊村先生が気になった方はぜひご覧になってください!
色々書きましたが私が思う行政書士試験の難易度はこんな感じです。
「簡単かどうかは人による」ということが伝わっていれば嬉しいです。
業務内容
次に試験に合格し後のことについても考えてみましょう。
個人の独断と偏見をふんだんに盛り込んではいますが、
行政書士業務を好きになれそうな人のポイントをいくつか挙げてみます。
調べることが好き
細かい文章を読むのが苦痛じゃない
読解力がある
わかりやすい言葉で伝えるのが得意
ルーティンワークじゃないほうがいい
安定よりも自由(もしくは収入)
兎にも角にも調べることが多いのでそういうのは面倒くさいと思う方はしんどいと思います。
同じ許可申請でも隣の県ではルールが違うということはよくあるし、
前回から時間が空いてお久しぶりの申請となれば法改正や運用変更がないか確認するなど、
ずっと何かしら調べている状態が続きます。
(申請する場所によってルールが変わる所謂ご当地ルールについては様々な意見がありますがそれはここでは一旦おいておきます)
手引きだけでなく、通達なども含めて行政書士業務はずっと最新の知識にアップデートしていかなければならないので細かい文章を読むことは多いですし、業務についての専門書等書籍もたくさん読み込んでいくことになるでしょう。
そしてそれらを落とし込んで自分のものにし、営業に活用したり関与先のサポートに活かしたりするので難しく書かれた文章を正しく読解し、それをわかりやすく人に伝えられる言語化の能力もあるとよりいいと思います。
大きな法人で勤務して同じ仕事だけをするという場合以外は勤務であっても開業であってもみなさんルーティンワークというよりも日々違う作業をされている方が多いように思います。
私のように1人事務所で開業となると、営業も書類作成もお金の管理も全部自分でやらないといけませんし、その合間に事務所の方向性について考えたり今後のための勉強をしたりとうまくバランスを取って色んなことを進める必要があるので刺激的な毎日を送ることになります。
そういったこともあって、慣れている作業だけ繰り返しやるほうがいいとか
平和な毎日を過ごしたいと思われている方は開業するなら少し覚悟が必要になるでしょう。
この点、私は稼ぎたいより平穏に暮らしたい派なのでしんどいです。
慣れるかと思いましたが慣れません。
そんなの嫌だ、安定して働きたい、という方は勤務で働くのもいいと思います。
肌感覚ですが最近求人が増えてきているような・・・
稼ぎたいなら開業一択ですが、開業したからといって稼げるわけでもないので働き方についてはじっくり考えたいですね。
収入
資格を取って開業し人生を変えたい!と行政書士試験に挑戦する方は多いです。
私もそうでした。
でもちゃんと稼げるのか?頑張った分報われるのかといったところは気になると思います。
「行政書士 稼げない」と検索で出てしまうのもあって不安に思ったり、
X(旧Twitter)ではキラキラした世界となんとなく稼げそうな雰囲気に夢が膨らんだりした経験がある方もおられるのではないでしょうか。
よくラーメン屋に例えられる行政書士ですが、
塩ラーメン専門店
素材にこだわる高級店
バラエティー豊かなお子様連れ歓迎店
早くて安いお忙しい方向け回転率重視店
などなどどんなお店をどの立地で出せばよく考えるところから稼げるかどうかが違ってくるのかなと思います。
あとは選んでもらうための差別化としてキャッシュレスに対応したり、
土日も相談可能にしたりなど工夫すると喜ばれるかもしれません。
せっかく資格を取ったのだからがんがん稼ぎたい!という場合は取扱業務から考える必要があるでしょう。
1件3万円の業務と30万円の業務ではリスクも利益も全然違います。
業務完了までにかかる時間も違ってくると思うので、ご自身の適性なども加味してじっくり検討しましょう。
まとめ
長々と書いてきましたが(ここまでで4200文字!)、
私の考えは真剣に努力すれば手が届く試験であること、
文章を読んだり書いたりすることが好きで、
それをわかりやすく伝えることも苦手ではなく、
お客様のご迷惑にならない範囲で自由に仕事ができる、という点で
この資格を取得して本当によかったと思っています。
(↑これが言いたかった)
資格取得後に出会った人たちは変な人(褒めています)がたくさんいて、
ああ変な自分もこのままでいいんだなと安心したので、
普通の会社員としての働き方が辛いとか、
少し(いや結構)大変でも自由に働きたいという意識が強い方には行政書士をめざすのもいいかもしれません。
行政書士として開業すれば個人事業主の1人になりますが、
とはいえこの業界はキラキラよりも真面目な人のほうが多いので私は居心地がいいです。
今回の記事がこんなところまで読んでくださったあなたのお役に立てる内容であればいいなと思います。